オン専字書きのにーこです!
はじめての同人誌づくり。原稿ができたらいよいよ印刷・頒布ですね。
「部数はどれだけ刷ったらいい?」
「価格はいくらに設定すべき?」
という悩みに、誰もが直面するのではないでしょうか?
同人誌の部数と価格は、SNSでもたびたび話題になる、永遠に正解がないテーマ。作家さんによって方針も違います。
在庫を抱えすぎると経済的にも精神的にも負担になりますし、少なすぎてすぐに完売してしまうと、欲しい方に届けられない。
価格が高すぎて売れないと困るし、安すぎても後で後悔してしまうかもしれません。
この記事では、実際にこれまで3年間同人誌を出してきた私が、同人誌デビューしたい方に向けて、部数と価格の決め方について様々な考え方をご紹介しますね。
あなたにあった方法を見つけてください!
同人誌の部数を決める
同人誌の部数を決める時は、まず「自分がどうしたいか」を決めてから、具体的な数字を考えましょう。
「自分がどうしたいか」で決める
同人誌の部数を決めるとき、大きく分けて3つの考え方があります。
「在庫を抱えたくない!」→少なめに刷って、必要に応じて増刷
初めての同人活動では、自分の作品にどれくらい需要があるのか予測するのが難しいものです。
在庫が多く残ってしまうと、印刷費を回収できないだけでなく、精神的にも負担になってしまいます。
初めての同人活動の場合は、少なめに刷ったほうが安心です。
足りなくなったら、後から増刷して、通販や次回のイベントで頒布することもできます。
「このくらいなら、在庫が残ってもダメージにならない」という数にするのがおすすめです。
「欲しい人に行き渡るようにしたい!」→需要に合わせて刷る
同人誌を出すのは初めてでも、オンラインである程度同人活動を続けていると、自分の作品の需要がある程度見えている方もいるのではないでしょうか?
盛り上がっているジャンルだと、イベント開始30分で完売の嵐だったりしますよね。
「欲しい人全員に同人誌が行き渡るようにしたい」という考え方で、需要に合わせた数を印刷する方法もあります。
初回から正解の部数を把握するのは難しいですが、可能であれば事前にSNSで部数アンケートをとって、少し余裕をもった部数を発注するのがおすすめです。
この場合も、経済的に無理をしないことと、在庫管理ができる範囲にすることが大切です。
何度か同人誌を作ることで、適切な部数の感覚をつかめるようになりますよ。
「数年かけて長く頒布したい!」→多めに刷る
特に1次創作や長寿ジャンルの場合、発行から数年経った同人誌でも需要が続くことが多いため、一度に多めに刷っておくという選択肢もあります。
まとめて大量に印刷したほうが1冊あたりの値段が下がるため、経済的です。
ただし、この方法は初心者向けとはいえません。
単価は割安になるとはいえ、部数が多くなるとそれだけ費用もかさみます。
予算に余裕がある場合の選択肢と考えたほうがよいでしょう。
長期的に在庫を抱え続けなければならないので、自家通販の場合は保管スペースも必要です。
何度か同人誌を頒布して、ペースがつかめてきたらチャレンジするという流れがおすすめです。
具体的に、何冊にする?
では具体的に、初めての同人誌の部数はどう決めればよいのでしょうか。
予算から逆算してみる
はじめての同人誌では、予算から部数を決めるのが最も安全です。
「今回は同人誌の制作に○円まで使える」と決めておき、予算の範囲内で最適な部数を考えてみましょう。
同人誌印刷所のWebサイトでは、基本的な料金表を掲載しています。
また、情報を入力するだけでその場で見積もり金額がわかるシミュレーターを設置しているところもあります。
あらかじめ印刷費用の予算感をつかんでおくことで、部数のほかにも、ページ数や仕様を考えるときの参考になりますよ。
SNSのフォロワー数や「いいね」数は参考程度に
Xやpixivのフォロワー数や「いいね」数から部数を決める方もいますが、実際はあまり参考にならないことも多いので、初心者にはおすすめできません。
SNSのフォロワー全員が同人誌を買ってくれるわけではありません。
SNSで見るだけで満足したり、紙媒体の同人誌を買わないユーザー層もいます。
また、SNSを長く続けている場合、フォロワーには別ジャンル時代のフォロワーやアクティブではないアカウントも含まれているため、「今のファン数」を正確に知るのは難しいです。
同人誌の価格を決める
部数が決まったら、次は価格設定ですね。価格は売上だけでなく、作品の価値や印象にも関わる大切な要素なんです。
「ページ数×10円」って聞いたことあるけど…
同人誌の価格設定でよく聞くのが「ページ数×10円」という計算式です。
例えば、36ページの本なら36×10=360円。
イベントで会計しやすいように350〜400円に調整するという方法です。
でも、特に文庫サイズの同人誌では、この計算式だけでは足りないことが多いんです。
文庫本は1ページあたりの文字数が少ないため、B5・A5などのサイズの同人誌と比べるとページ数が多くなりやすく、単純計算すると高くなってしまいます。
最近は物価上昇により、どの印刷所も印刷料金を値上げしています。
また、納期や装丁によっても印刷費用は大きく変わります。
一昔前の「ページ数×10円」は、令和の時代には合わない考え方です。
相場と原価のバランスを見る
現実的な価格にするは、相場と原価のバランスが大切です。
- まず同じジャンル・同じような仕様の同人誌の相場を確認してみる
- 次に自分の同人誌の原価を計算してみる
- 1・2を照らし合わせて、ちょうどいい価格を決める
例えば、200ページの文庫サイズの同人誌の場合、相場が800〜1,500円くらいで、原価が750円だとすると、頒布価格は800〜1,000円あたりがちょうどいい価格と考えられます。
価格設定時の大切なポイント
印刷費以外にも費用はかかる。続けられる程度の収支で
同人誌の価格を決める時には、印刷にかかる原価のみに目が行きがちです。
しかし、実際はイベント参加費や交通費などの搬入費がかかりますし、表紙デザインを外注するならその費用、書店委託や自家通販を利用する場合は手数料が差し引かれます。
現実的には、これらすべての費用をまかなう価格設定は難しいですし、特に二次創作では、「同人誌の頒布で黒字を出さない」という暗黙の了解もあります。
最低限、同人誌の制作にかかった費用をカバーできるといいですね。
同人活動を続けていくためには、趣味の範囲内で続けられるくらいの収支を心がけましょう。
周りの相場感覚を知る
同じジャンルの他の作家さんの価格設定を参考にすることも大切ですよ。
相場から大きくずれた価格設定は、違和感を与えてしまうことがあるんです。
ただ、同人誌の原価は部数や仕様、印刷所によって大きく変わります。
特に少部数の場合は原価が相場より高くなりやすいので、大きな赤字にしてまで無理に価格を下げる必要はありません。
また、紙質やデザイン、内容の充実度によって価値は変わります。
凝った特殊装丁や、密度が濃い自信作の同人誌なら、相場より高めの設定でも違和感なく受け入れられるでしょう。
部数と価格の具体例
「考え方はわかったけど、実際にどうしたらいいの?」と悩みますよね。
具体的な部数と価格の例をご紹介します。
これが完璧な正解ではありませんが、方向性の参考にしてくださいね。
例1:少部数・低リスク型(初心者向け)
- 部数:30〜50部
- 価格:原価+100〜200円程度
- メリット:在庫リスクが低い、最初にかかるお金が少ない
- デメリット:1冊あたりの値段が高くなりがち、増刷する場合も再発注の手間がかかる
ちなみに、私自身のはじめての同人誌は「文庫版・96ページ・20部・750円(原価+100円)」でした!
オンラインイベントに合わせた自家通販で、3日間で完売。
盛り上がっているジャンルで、リクエストもあったので50部増刷し、増刷分も1年ほどで完売しました。
例2:中部数・バランス型
- 部数:100部程度
- 価格:原価+100〜200円程度
- メリット:1冊あたりの単価がやや下がる、流行ジャンルや大規模ジャンルの需要に対応できる
- デメリット:在庫リスクが高め
例3:大部数・長期型(経験者向け)
- 部数:200部以上
- 価格:原価+100円程度
- メリット:1冊あたりの単価が最も下がる、長く売るのに向いている
- デメリット:最初にかかる費用が大きい、在庫を保管するスペースが必要
初めての同人誌で失敗しないために
まずはスモールステップで
仕事や家庭もある中で同人活動をするのは大変ですよね。
特に同人誌づくりや頒布は、時間も手間もかかります。
そんな中で作り上げた同人誌を「たくさんの方に読んでほしい」「安く頒布したい」と思うのは当然のことです。
ただ、生活を圧迫するような高額の印刷費をかけて、自分で管理しきれない大部数の同人誌を発注するのは、避けましょう。
まずは小さな目標から始めてみましょう。
「まずは経験」という気持ち
初めての同人誌は「学ぶための投資」と考えてみてくださいね。
たくさん売れることや、利益を出すことよりも、ゼロから作って届けることまでの一連の流れを経験することが、あなたのこれからの同人活動をさらに豊かにしてくれます。
大成功を狙うというよりは、これからもよりよい作品を生み出し、楽しく同人活動を続けていくための経験と考えるのがおすすめです。
まとめ:ちょうどいい部数と価格で同人活動を楽しもう
同人誌の部数と価格は、自分の状況や目的に合わせて決めるのがベストです。
初めての方なら「少なめに刷って、大赤字にならない価格で」始めるのがおすすめです。
- 部数は「予算」から逆算してみる
- 価格は「原価」と「相場」のバランスを見て参考にする
- はじめからうまくいかなくて当たり前。完璧を目指さず、経験を積むことを大切にしましょう
長く続けられる創作ライフを楽しみましょう!
